ランタイム統制 Runtime Authority
「ランタイム統制」権限は Tauri Core の一部です。 どのウィンドウがどのコマンドにアクセスできるのかを制御するために、実行時にすべての「アクセス権」、「セキュリティ・レベル設定」、「スコープ」(適用範囲)情報を確保し、コマンドにスコープ情報を渡します。
《訳注》 ランタイム統制 原文は Runtime Authority。実行時(ランタイム)での処理に対する「支配権(Authrity)/権限」のことと解釈されますが、「権限」と訳した場合、permissions/capabilities などの同様の用語と訳語上区別が付きにくいため、本稿では「統制(権)」と表記しています。 同様に、permissions(許可する権限)は「アクセス権」、capabilities(実行する能力・機能)は「セキュリティ・レベル(設定)」と文脈に応じて訳し分けてあります。
Webview から Tauri コマンドが呼び出されるたびに、「ランタイム統制」権限は、〈1〉「呼び出し要求」を受け取り、〈2〉要求されたコマンドを呼び出し元(オリジン)が実際に使用できるかを確認し、〈3〉オリジンがセキュリティ・レベル設定の対象内であるかどうかやスコープがそのコマンドに対して定義されており適用可能であるかどうかをチェックし、〈4〉そうした後で「呼び出し要求」に必要情報が挿入されると、〈5〉ようやく、「呼び出し要求」は適切な Tauri コマンドに渡されます。
オリジンにコマンドの呼び出しが許可されていない場合、「ランタイム統制」権限によって「呼び出し要求」が拒否され、Tauri コマンドは決して呼び出されません。
《訳注》 図表内の用語 Main Window 主ウィンドウ ・ invoke (message) 呼び出し(メッセージ) Command コマンド ・ invoke (message+scopes) 呼び出し(メッセージ+スコープ) Runtime Authority ランタイム統制 ・ IPC Handler プロセス間通信ハンドラー ・ calling window and capability 呼び出しウィンドウとセキュリティ・レベルの確認 capability1 セキュリティ・レベル設定1 ・ Commands コマンド類 ・ Scopes スコープ設定(fs::writeFile の適用範囲) ・ Scopes スコープ設定(shell::execute の適用範囲) ・ Windows 各種ウィンドウ ・ Main Windows 主ウィンドウ ・ Splashscreen スプラッシュスクリーン(起動時表示画面)
【※ この日本語版は、「Feb 22, 2025 英語版」に基づいています】
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