WebDriver
WebDriver は、主として自動テストを目的とした、Web ドキュメントとのやりとりを行なうための標準化されたインターフェースです。
Tauri は、クロス・プラットフォーム・ラッパー tauri-driver
の下で、ネイティブ・プラットフォームの WebDriver サーバーを利用することで WebDriver インターフェースをサポートしています。
デスクトップでは、Windows と Linux のみがサポートされます。macOS では WKWebView ドライバー・ツールが利用できないためです。
iOS と Android では、ソフトウェアの自動テスト・エコシステム Appium 2 を通じて動作しますが、現在のところ、そのプロセスは簡素効率化されていません。
次のコマンドを実行して、最新の tauri-driver
をインストールするか、既存のインストールを更新します:
cargo install tauri-driver --locked
Tauri は、現在、各プラットフォームのネイティブ WebDriver サーバーを利用しているため、サポートされているプラットフォームで tauri-driver
を実行するには以下のようにいくつかの前提条件があります。
Linux プラットフォームでは WebKitWebDriver
を使用します。このバイナリが既にシステム内にあるかどうかを確認してください(コマンド which WebKitWebDriver
で確認できます)、というのも、ディストリビューションによっては、このバイナリが通常の WebKit パッケージにバンドルされているためです。
他のプラットフォームでは、たとえば Debian ベースのディストリビューションの webkit2gtk-driver
のように、別のパッケージが用意されている場合があります。
アプリケーションをビルドおよびテストしている Windows Edge のバージョンと一致する マイクロソフト・エッジ・ウェブドライバ のバージョンを必ず取得してください。 そのバージョンは、最新版 Windows のインストールではほぼ常に最新の安定版バージョンになるはずです。 この二つのバージョンが一致しない場合は、接続時に「WebDriver テスト・スイート」がハングする可能性があります。
テスト・スイート testing suite: ソフトウェアの検証時に用いる一連の「テスト・ケース」を効率的に実行するために一纏まりにしたもの。
ダウンロードには msedgedriver.exe
というバイナリが含まれています。tauri-driver
は $PATH
でそのバイナリを検索するので、パス上でアクセス可能になっていることを確認するか、tauri-driver
で --native-driver
オプションを使用してください。
Windows CI マシン上で Edge と Edge Driver とのバージョンが確実に同期するようにするために、CI セットアップ・プロセスの一環として自動的にダウンロードしたいと思うかもしれません。
この処理の実行方法に関する手引きは後日追加されるものと思われます。
モデル・アプリケーション 原文 Example Applications: ソフトウェアの検証対象となる「アプリケーションの事例」の意味であるが、本稿では検証時の「モデル」とする事例の意味で「モデル・あっプリケーション」訳しています。
以下は、WebDriver を用いてテストされるアプリケーションの最小構成事例を作成するステップ・バイ・ステップの作成ガイドです。
この作成ガイドの結果と、完成した最小限のコードベースを手早く確認したい場合は、https://github.com/chippers/hello_tauri を参照してください。
上記の事例には、GitHub Actions を利用してテストするための CI スクリプトも付属していますが、この概念をもう少し詳しく説明している以下の「WebDriver CI ガイド」(次章)も興味深いかもしれません。
CI/CD ソフトウェア開発でのワークフロー自動化手法。詳しくは「GitLab」を参照してください。
【※ この日本語版は、「Feb 22, 2025 英語版」に基づいています】
© 2025 Tauri Contributors. CC-BY / MIT